オペレーター紹介JBC Live Demonstration 2023

9:00 - 10:30 Live Demonstration 1

平瀬 裕章先生

LM分岐部病変へのデバルキング戦略×平瀬 裕章先生(高岡みなみハートセンター みなみの杜病院)

治療戦略スライド1

※画像クリックで拡大

治療戦略

大腿動脈8Fr穿刺、GCは、ROADMASTER CL4.0SHを選択。若年であり、できるだけステントを使用しない方向での治療を目指します。
まずは、LCX入口部に対してDCAを施行します。角度があり、ショートカットしやすいので、ショートカッターのLを選択します。ついで、LMT distalに対しても同様にDCAを行う予定です。LAD入口部からステントが入っており、少々気を遣う状況です。最終は、LCX、LMともにDCBで仕上げる予定です。

11:00 - 12:30 Live Demonstration 2

木下 順久先生

分岐部病変へのKBT戦略×木下 順久先生(豊橋ハートセンター)

治療戦略スライド1

※画像クリックで拡大

治療戦略

患者は50代後半の男性で既往歴としてOMI(2019年対角枝)、AAA(2020年 AAAR)CKD、脂質異常症、IgG4関連疾患を認めている。
今回FU CAGにてLMT分岐部とLCX遠位分岐部にて狭窄の進行を認め、FFR陽性であったため治療することとなった。治療方法については複雑な既往歴からCABGも検討し十分説明を行ったが、最終的には患者自身とご家族間での話し合いによりPCIを選択された。
今回の治療はLM分岐部をターゲットに考えている。CT上はLCXの対側にlowなプラークが比較的focalについている。造影上はLMからLADにかけて非常に屈曲しているように見えるが、2019年の造影ではそれほどでもなく、プラークの増殖により今度屈曲病変に様子を呈していると考えている。
ストラテジーとしては、バックグラウンドにIgG4関連疾患があるため、ステント留置した際の瘤上変化の可能性もあり、また2019年のAMI時にDCBで治療された箇所の反応が良いことから、できればDCA+DCBで終われればと思っている。通常DCA時に用いられるRAO-CAU viewにて中隔枝と対角枝が重なっておらず、切除方向の決定が難しいことが予想されるが、必要に応じてwire tip detection等を用いて決定するつもりである。

13:10 - 14:40 Live Demonstration 3

髙木 健督先生

多枝病変へのステント留置戦略×髙木 健督先生(国立循環器病研究センター)

治療戦略スライド1

※画像クリックで拡大

治療戦略

病変は#5, #6-7, #OMの三病変がターゲットとなります。
内服の詳細は不明ですが、右冠動脈の治療時期からは十分な期間の薬物療法がされていない可能性があり、またプラーク量が多いことからslow flowに伴う血行動態破綻に注意が必要ではないかと考えます。
システムは左主幹部へのステント治療を考えますので、左Radialより7Fr JL3.5-4.0を選択し、slow flowやニトロプルシド使用時の血圧低下への対処のため、鼠径に6Fr静脈シースをとりノルアドレナリン1A+生食100mlをつなぎ術者側で血圧コントロールができるように準備をします。

#6-7への治療は#9-1は小さいため、閉塞しても対応しない予定です、#9-2はそれなりに灌流域がありますのでModified jailed baloonnでの側枝保護を予定しています。プラークが多めなのでdebulkingデバイス使用は考えていません。#5にも高度狭窄がありますので、造影時に病変の進行を認める場合、またはIVUSで内腔が狭く#6-7への治療の妨げになるのであれば、先に#5への治療を考える必要があると思います。#5に対してはクロスオーバーステントでPOTを予定しております。その後、造影剤量、時間、バイタルが許せばOMに対しステントを行う予定です。回旋枝本幹は抹消病変なので治療は行いません。

本症例においては、病変の重症度、血行動態を加味しながら三病変への治療の順番を決める必要があります。SYNTAX >33 三枝病変患者であり、一般的にはCABGが推奨される病変であることから、完全血行再建だけでなく、10年後にもCBAGと比較して遜色ない治療結果となるよう治療戦略をみなさまと相談できれば幸いです。

15:20 - 16:50 Live Demonstration 4

大谷 啓輔先生

びまん性病変へのデバルキング戦略×大谷 啓輔先生(松任石川中央病院)

治療戦略スライド1

※画像クリックで拡大

治療戦略

70歳代のLCX、RCAに治療歴がある患者さんで、ターゲットはLAD、D1分岐部の高度石灰化を伴う病変です。LADは分岐部から比較的長いびまん性の石灰化で、D1は比較的灌流域が大きく、起始部に高度狭窄を認めており、いずれも治療が必要と考えます。
透視やCTでは高度石灰化であり、Lesion preparationを、どう行うかがポイントだと思います。特にLADはロータブレーターやダイアモンドバックでのdebulkingかIVLでの石灰化modificationが必須であり、D1に対してもdebulkingが必要かどうかでも戦略が変わりますので、Imagingを見てからの判断と思います。
現時点では、D1は可能ならスコアリングバルーン、LADはダイアモンドバック、ロータブレーター併用での効率的かつ安全な切削を目指し、いずれもDCBエンドの可能性も視野に入れますが、preparationの結果、JBTを用いたステント留置や、2 stent strategyが必要となる場合もあると考えます。
よって橈骨動脈アプローチで、7Frのbackup typeのGCで始める予定です。
以上が術前の治療戦略となりますが、当日は座長、コメンテーターの先生方のご意見、ご指導などよろしくお願いいたします。