ごあいさつ Japanese Bifurcation Club 2025

JBC 2025 ~分岐部治療の最前線:コンセンサスと革新~

JBC 2025では「分岐部治療の最前線:コンセンサスと革新」をテーマに掲げます。本会では、分岐部治療に関する最新のコンセンサスを再確認し、さらなる革新を目指す議論を展開していきます。近年、画像診断技術の進歩により、分岐部病変の病態、治療効果をより詳細に評価することが可能となり、CTによる術前評価、FFR/NHPRによる治療適応病変の選択、IVUS・OCT・OFDIの冠動脈イメージングを活用した適切な治療戦略が重要視されています。また、病変前処置の重要性が再認識され、Scoring balloonの使用、DCAによるプラーク切除、石灰化病変に対する切除術(Rotational / Orbital atherectomy)と破砕術(IVL)の使いわけ、DCBによるStent-less治療の拡充も議論の対象となっています。さらに、ステント戦略として2-stentの必要な局面の判断、DCBとの使い分けなど、分岐部治療の最前線を知る機会となるでしょう。

JBCはこれまで、日本国内だけでなく、ヨーロッパ、アメリカ、韓国、中国のBifurcation Clubと協力し、国際的な視点から分岐部治療を発展させてきました。今年も世界のBifurcatorとともに、分岐部治療の未来について議論し、最新の知見を共有する予定です。世界各国の術者の考え方やテクニックを学ぶことは、我々が次のステップへと進むための貴重な機会となるでしょう。

JBC 2025では、従来の座学に加え、ライブデモンストレーションやハンズオンセッションを通じて、より実践的な学びを提供します。ライブデモでは、実際の症例を通じて最適な治療戦略を議論し、オペレーターの判断やテクニックをリアルタイムで学ぶことができます。JBCは単なる知識の共有の場ではなく、治療の未来を共に創る場です。

分岐部病変治療の最前線を知り、コンセンサスと革新の狭間で最良の治療法を追求することが、患者さんのアウトカム向上につながると信じています。JBC 2025が、皆様にとって有意義な学びと新たな発見の場となることを願い、多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。

Japanese Bifurcation Club 理事長
村里 嘉信(九州医療センター)