症例集 -
JBC Live Demonstration 2026
9:00 – 10:30 Live Demonstration 1
村里 嘉信先生
九州医療センター
本症例のポイント
Case 1は、LAD-Dxの分岐部病変です。本症例ではD1、D2の2本の側枝が関与しており、FFRctではLADのみならずD1、D2ともに虚血陽性を呈しています。これら複数の側枝に対して、どこまで、そしてどのように介入するのか、日常臨床でもしばしば直面する悩ましい症例です。
また、透視上はそれほど高度な石灰化には見えないものの、冠動脈CTではLADに高度石灰化を認めており、どのようなlesion preparationを行うかも大きなポイントとなります。
複数の虚血陽性側枝への対応と高度石灰化病変へのlesion preparation。知識とテクニックを集約して治療戦略を組み立てる必要がある症例です。実際にどのような戦略で治療が進められるのか、ぜひご注目ください。
- Male, 80’s
- Dx) Angina Pectoris
- Risk factorHL, DM
- Clinical courseCoronary CT 2026/7 FFRct LAD 0.77, D1 0.73, D2 0.76
- TTEEF 69%, Dd/Ds 40/25 mm, Asynergy (-), Moderate AS peak V 3.3m/s, AVA 1.0cm2, Mild AR
- Renal functionCr 0.67mg/dl, eGFR 85.2
- HBR2 minor
- Syntax26
- Syntax ⅡPCI 34.8/10%, CABG 38/12.9% (CABG or PCI)
-
ECG

NSR HR 71
-
CXR
CTR 46%
-
Coronary CT
-
CAG RCA
-
CAG LCA
-
CAG LCA
10:30 – 12:00 Live Demonstration 2
名越 良治先生大阪府済生会中津病院
本症例のポイント
Case 2は、LM本幹に高度の板状石灰化と石灰化結節を認める症例です。増悪型狭心症に対して診断カテーテルを施行したところ、造影上は一見大きな問題がないように見えましたが、LM bodyにhazyな所見を認めました。そこでOCTを施行すると、高度の板状石灰化と石灰化結節に加え、板状石灰化の内側には白色血栓を疑う所見が観察されました。
LMのdebulkingは必須と考えられる一方、LAD近位部にも偏在性のfibrous plaqueを認めています。最終的にLMからLADへのcrossover stentingで仕上げるのか、あるいはDCBで終了するのか。さらにDCBを選択する場合には、LMとLADをどのように治療するのかも重要な論点となります。
イメージング所見をどのように治療戦略へ落とし込み、LMの高度石灰化病変をどこまでdebulkingし、最終的なdevice strategyをどう組み立てるのか。さまざまな治療選択肢が考えられる、議論の尽きない症例です。
- Male, 60’s
- Dx) Angina Pectoris
- Risk factorHT, HL, DM, Smoking(Current)
- Clinical course
- 2026/3
- Admission for AP
CAG #2 25%, #5 75%(Hazy), #6 50%, #11 50%
PCI #5 POBA (Ryusei 3.5×20mm)
- 2026/8
- Coronary CT LAD FFR 0.55, LCx FFR 0.61
- TTEEF 64%, Dd/Ds 40/27 mm, Asynergy(-)
- Renal functionCr 0.73mg/dl , eGFR 82.2
- HBRNone
- Syntax22
- Syntax ⅡPCI 22.1/3.6%, CABG 29.4/6.5% (PCI recommendation)
-
CXR
CTR 44%
-
ECG

NSR, HR 86
-
CAG RCA
-
CAG LCA
-
CAG LCA
-
CAG LCA
-
PreOCT
-
PreOCT
-
PCI (POBA)

Ryusei 3.5×20mm
-
CAG P-PCI
-
PostOCT
-
FinalOCT
-
Coronary CT
-
FFRct

12:40 – 14:10 Live Demonstration 3
木下 順久先生豊橋ハートセンター
本症例のポイント
Case 3は、高度石灰化を伴うLM bifurcation lesionです。LMからLADにかけて高度石灰化と高度狭窄を認めており、debulkingが必須と考えられる症例です。
比較的短いLMTで、ほぼLM入口部からの介入となるため、debulking deviceの操作には高い技術が求められます。この難しい解剖学的条件のなかで、プロフェッショナルなオペレーターがdeviceをどのようにコントロールし、安全かつ十分なlesion preparationを行うのかが大きな見どころです。
最終的にはLM bifurcation stentingとなる可能性が高いと考えられますが、本症例では血管径、灌流域ともに大きなLCXが側枝となります。そのため、ステント留置後にLCXへのアクセスをどのように確保し、jailed strutをどのように処理するのかも重要なポイントです。LM bifurcation PCIに必要なテクニックが凝縮された症例として、ぜひご注目ください。
- Male, 70’s
- Dx) Silent myocardial ischemia
- Risk factorHT, HL, DM, Smoking(past)
- Clinical course
- 2026/2
- Referred for consultation due to intermittent claudication.
- 2026/3
- Referred for consultation due to intermittent claudication.
- 2026/3
- EVT for Lt SFA
- 2026/4
- PCI for RCA#4PD CBA+DCB
- 2026/7
- Coronary CT FFRct LAD 0.60 LCx 0.57
- TTECoronary CT FFRct LAD 0.60 LCx 0.57
- Renal functionCr 1.27mg/dl , eGFR 77
- HBR2 minor
- Syntax33
- Syntax ⅡPCI 50.4/32.3%, CABG 53.8/40.5% ( CABG or PCI)
14:10 – 15:40 Live Demonstration 4
福山 裕介先生大阪府済生会中津病院
本症例のポイント
Case 4はLAD-Dx分岐部を中心とした病変ですが、本症例の大きなテーマは、LAD近位部のステントランディングポイントをどこに設定し、どのように処理するかです。
冠動脈造影上はLAD近位部にステントランディングポイントとなり得る部位を認めますが、同部にも一定量のプラークが存在することが想定されます。そのため、LAD入口部へのjust stentingとするのか、それともLMからのcrossover stentingを選択するのか、オペレーターによって判断が分かれる症例と考えられます。
最終的にはイメージング所見を踏まえて判断することになりますが、どこにステントを留置し、どこまで病変をカバーするのか、さらにはdebulking+DCBという選択肢があり得るのか。コメンテーターとのディスカッションを通じて治療戦略を組み立てながら進めていく、非常に興味深い症例です。
- Male, 60’s
- Dx) Angina Pectoris
- Risk factorDL
- Clinical course2026/8/20 RCA-STEMI, #1 Ultimaster 3.5*18
- Coronary CTNot performed
- TTEEF 44%, Dd/Ds 43/31mm
- Asynergyinferior hypokinesis
- Renal functionCr 0.85mg/dl, eGFR 69.3
- HBRNone
- Syntax18
- Syntax ⅡPCI 29.4/6.5%, CABG 27.7/5.6% recommendation: CABG or PCI
-
ECG, X-P
NSR, HR:76bpm
-
CAG, PCI for RCA-STEMI
LAO 45, CRA 0
#1 Ultimaster 3.5*18
-
CAG-LCA
-
CAG-LCA
-
Angio-FFR (LAD, D1)
15:50 – 17:20 Live Demonstration 5
沼澤 洋平先生慶應義塾大学
本症例のポイント
Case 5は、LAD-D1の分岐部病変です。FFRctではLAD、D1ともに虚血陽性を呈していますが、狭窄度と灌流域を考慮すると、比較的大きなD1への治療が重要なポイントとなる可能性があります。
一方、LAD近位部にも約75%の狭窄を認め、プラークはD1分岐部までびまん性に連続しています。そのためLADへの介入も必要と考えられ、D1の十分な拡張を確保するためにも、LADのplaque reductionを意識した治療戦略が求められます。
DCAによるplaque reductionを行うのか、あるいはKBTなどのballoon-based strategyを選択するのか。そして、最終的にD1をどのように仕上げるのか。最終形をイメージしたうえでlesion preparationを組み立てることが重要となる症例です。分岐部治療における「側枝を守るためのlesion preparation」を考えるうえでも、非常に興味深い症例です。
- Male, 70’s
- Dx) Silent myocardial ischemia
- Risk factorHT, DM(no medication)
- Clinical course
- 2025/10
-
Admission for DVT
CAG was performed to evaluate low EF.
CAG #5 25%, #6 75%, #8 50%, #9 90%,#10 75%
FFR LAD 0.70 Dx 0.65
- 2026/8
- Coronary CT LAD FFR 0.74, Dx FFR 0.59
- TTEEF 54%, Dd/Ds 61/45 mm, Basal Anterior sH
- Renal functionCr 1.09mg/dl, eGFR 51.2
- HBR1 major, 1 minor
- Syntax21
- Syntax ⅡPCI 30.9/7.3 %, CABG 37.2/12.1%(PCI or CABG)
-
CXR
CTR 49%
-
ECG

NSR HR 56
-
RCA CAG
-
LCA CAG
-
LCA CAG
-
LCA CAG
-
FFR
-
Coronary CT
-
FFRct